よりみち会津ライド(中編)

11月の会津ライドの続きです。
思ったより長くなったので3本立て。
前の記事が準備&到着編、ここから本編。





会津盆地の東にある飯盛山。
山といっても標高300mちょっと、会津市街地から見ると150mほどの標高差。
こんもり盛った飯のような形が名前の由来。ネーミングが潔すぎる。


この時期になるとシャッターを下ろしている土産物屋も多い。
人通りが少ないのは願ったり。
とりあえず邪魔にならない場所を探してロードを担いでいると

「お兄ちゃん、ここ自転車置場ないからウチの隣に停めていいよ!」

とお店のおかみさんが声をかけてくれた。


それにしても、思ったより観光地化らしい設備が整っている場所だ。
エスカレーターもちゃっかり有料。随所に商売魂……。


今日はまだ全然走ってないので、動かない方の坂道を利用。




会津といえば。ですね。

メインの目的地ではなかったけど、天気がよかったので市街地と会津若松城を眺めてしばらく休憩。


地面はまだ湿っていて、舗装されていない場所ではクリートに土が食い込む。

 墓前から道を戻ると、下っていく階段の右手に別ルートが現れた。
この先に、会津に来るきっかけになった建物がある。



休憩所の壁に「さざえ堂」の案内板。





会津さざえ堂。
前から一度目にしてみたい建物だった。到着。


一見すると四重塔にも見える構造。
実は平らな階がなく、各階層が螺旋状に繋がっているのが分かる。


拝観料400円で、早速中に入ってみた。

廃仏毀釈の時代までは観音さまが安置されていて、通路を上って下りることで三十三観音巡りができたそう。
この建物が凄いのは、この通路が二重螺旋になっているというところ。訳がわからないよ。


柱の向こうと手前で、明らかに通路の高さが合っていない。
奥の通路はこちら側の天井上を通っていて、上りと下りが完全に分かれている。
おかげで他の人ともすれ違わずに観音巡りができるという工夫。

なんでこんなの造ろうと思ったんだろう。

面白すぎてもう一周しそうになった。



ちなみに栄螺堂(三匝堂)という建物はここだけのものではなく各地にある。

2つの思いを二重螺旋に織り込んじゃった違法建築 特異な構造で会津が一番有名だけど
明治以前の建築で現存するのは関東・東北を中心に6ヶ所。

青森の弘前・禅林街にも、言われなければ気づかないような赤くて小さいお堂がある。
所有している蘭庭院に問合せれば無料で見学可能らしいので、そのうち行ってみようと思う。


地元の商人の寄進によって町大工が作ったという、弘前のミニチュア栄螺堂。
こう見えてちゃんと中が螺旋状の通路になっているそう。

最近の建築だと大正大学すがも鴨台観音堂(東京)、夢かなうぶんぶん堂(大分)が
二重螺旋の栄螺堂となっている。だからなんで造ろうと思ったの。


そういった建築が近場にある人は訪ねてみると面白いかも。
でもやっぱり、会津さざえ堂の存在感は圧巻だった。

珍しいもの見たさで行った感は否めないけど、寺社仏閣への関心が高まったらまた改めて行きたい。


自転車に戻ると、土産屋のおかみさんからまた声をかけられた。

「寒かったでしょ、中の炬燵があったかいよ。うどんもあるよー」
「たべりゅうううううう!!(じゃあ折角なのでぜひ!)」


駐車場の利用者を店内に誘うのは当然の流れとしても
後からWikipediaを見たら「買うように迫る商法」として紹介されていたのは笑った。
色んな意味で名物を体験して、店の人としばらく話す。



当初輪行の予定がなかったのもあって、会津若松には結構早めに着いてしまった。

ある程度自走したら日光あたりで一旦切り上げてまた輪行するつもりでいたけど、そこまでの間に立ち寄れる場所はなかっただろうか。
日光に寄りたくてもとっぷり日が暮れてからになるだろうから、それはまたの機会にしたい。

ちょうど南下して30kmほどの場所に、気になっていた場所があるのを思い出した。



後編、大内宿へ続きます。

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